この記事はこちらの記事【卵巣がんの疑いあり】と診断されて、治療法への迷いの続きです。卵巣で境界性悪種があると診断され、早期の手術を勧められた私はどのように治療をしていくかを検討していきました。
治療=西洋医学?? 東洋医学や代替治療は本当に効かないの?
元々私は日常生活にアロマテラピーやクレイセラピーを取り入れていたので、自然療法が好きだったことと、普段整体をお願いしている方が東洋医学の考え方を取り入れていることもあり、「東洋医学的なアプローチで根本治療ができないのか」という考え始めました。ちなみに西洋医学と東洋医学の大きな違いですが…
西洋医学
・身体の悪い部分に直接アプローチし、投薬や手術などで治療
・短期での治療が可能だが、身体に負担がかかる
東洋医学
・身体の全体に内側からアプローチし、漢方や鍼灸などで治療
・長期的な治療になるが、身体に負担がかかりにくい
と、言うように根本的な考え方が異なります。前回の記事にも書きましたが、身体を森に例えると、枯れ始めた木を切って治療するのが西洋医学、水の流れを変えたり、肥料を与えることで森全体にアプローチして根本治療するのが東洋医学です。
西洋医学は短期での治療が可能なのに対し、東洋医学は時間がかかる治療なので、ある程度の時間、癌かもしれない卵巣の腫瘍と一緒にいる必要があります。また、東洋医学の施術は「個人の力量」に依存する力が大きいため、技術と経験値が高い本物の人を見つけることができるか、そしてその治療が自分に合うのかというところもあります。
自分の身体と心がピンと来る方へ 「自分が信じる」治療を選ぶ
これはあくまで私の考え方ですが、身体と心はつながっているので、治療は「自分が納得できるもの」を選ぶ、何より身体と心がピンと来る方を選ぶのがベストだと考えています。私自身は自分の性格と、これまでの生き方と、信念を省みて考えましたが、やはり東洋医学的なアプローチが自分が納得できる治療と判断しました。
・元々自然療法を暮らしに取り入れており、考え方に馴染んでいる
・「急がば回れ」な性格で普段の仕事も短期の成果より、長期の成果へのアプローチを選ぶ
・自分の内側と向き合うのも好きで、必要と感じたことを一気に学ぶことができる性格
・自分の身体が手術を拒否している (と自分が感じる)
・周りに信頼できる東洋医療のアプローチの専門家が何名かいる
・自分自身も個人事業主であるため、大きな病院ができないことを個人ができると信じる気持ちが強い。
この判断をするときの最大のリスクは「既に悪性(=癌) だった時に、一気に転移して死ぬ可能性がゼロではない」ということなのですが、もしそうなったら私はそれが天から与えられた寿命だったと判断することにしました。あくまで自分の直感なのですが「治るのではないか」という気がしましたし、私は直感こそ最も自分ら信頼すべきセンサーと捉えているので、自分の身体と心が示す道としてその道を歩くことに決めたのです。
ちなみに、私は西洋医学否定派に見えるかもしれませんが、ある程度の期間東洋医学的アプローチをやってみて、進行するようなら手術も視野に入れようと思っていましたし、私はこの件とは別で過去に手術をしたこともあります ( だからこそ手術が身体に負担と体感的に理解しているのですが… ) 西洋医学はあくまで身体の内側の状態を知る物差しの1つと捉えていて、東洋医学や中医学の視点で自分のことを「身体のバランスを崩している状態」捉えていました。ここまで読んで、「いや!そんな風には絶対思えない!」という方は手術をした方が良いと思います。
東洋医学は「選ぶ」ことも一苦労… 「手術して」という周りの声に向き合う
自分で色々本を読み、周りの人の意見を聞き、自分なりにアプローチを決めたのは良いですが、これを簡単に許してくれないのが今の社会です。というのも今の社会は「診断も治療も西洋医学が標準」という風潮ですよね? まず、医者にやんわり「この段階での手術は考えていない」と東洋医学的アプローチにしたいと伝えたところ、「そういうのはもう手術ができない段階の人が考えるもので、今の段階でそんなことを言っていては手遅れになる」ということを何度も言われました。 自分なりに決めたつもりでも、医者に強い口調で言われると心がぐらつきますし、何より親や友人が「手術した方がいいんじゃない?」とか、正義感で「手術しないとダメ」くらいのメッセージを送ってくる人もいて…これは精神的に非常にこたえました。
別記事でも書いておこうと思いますが、治療方針は自分で判断できないくらい幼い年齢でもない限り「本人が決めるべき」です。「代替治療を選ぶと小林麻央ちゃんみたいになる」などと送りつけてくる人もいたのですが、「あの…そのくらい私が考えなかったとでも?」私は感じましたし、誰も自分の選択の責任は取ってくれません。 あくまでそのようなメッセージを送ってくる人は「自分の友人、または知っている人が死んだら悲しいから」であって「私がどんな風に考えて、どのように決断をしたのか」を尊重する関わり方ではなかったです。
私は発覚から治療が終わるまでの間、何度か精神的に厳しいなと感じる局面がありましたが、この「私の話を聞かずに手術を押し付けてくる」という関わり方がその一つでした。幸いなことに、私の家族は私の「自分で決めた決断を簡単に変えないほど頑固」という性格をよく知っているため、「何言ってもどうせ聞かないだろうから死なないように気をつけてくれたまえ」という感じで、私の意思を尊重 ( という名の諦め ) してくれたことと、何名かの友人は「よく考えて決めたんだろうし、必ずよくなると思うよ」と素晴らしく心を支えてくれるアプローチをしてくれたことが励みになり、私は自分の決めた治療方針を信じ直すことができました。
文章にして結論だけを書いてくと、「周りに色々言われたけど東洋医学的なアプローチにすんなり決めた」かのように見えると思いますが、私自身も迷いながら気持ちを確かにしていった、という感じです。母親が「手術をした方が…」という考え方だったため、しばらくの間は病院に行きつつ、色々な施術を受ける時間を過ごしましたし、医者に「手術しないなら終診」と強い口調で言われて心が折れてしまい、医者に従って一度セカンドオピニオンを聴きにいったこともありました。最終的にはセカンドオピニオンを聞いても手術をしないという自分の意思が変わらなかったため、「この件で再度同じ病院にかからない」ということを約束して、通院していた病院は「終診」にしてもらいました。 この時点では病院に行くという行為と医者とのコミュニケーションが自分の身体と心に負担が大きいため、病院に行くことで悪化していくのではないかという気持ちが大きくなったためです。
ちなみに手術の意思がないことは3回も病院に言いにいきました。医者からすると「治療できる段階なのになぜ?」という感じでしたし、患者の中でも初めは手術を嫌がっても時間を与えて考えると「やっぱり手術します」という人が多いみたいで、私のように時間を与えてなお「手術しません」と言い切る人は少ないようです。
余談でこれは私を施術してくださった方何名かに聞いたのですが、手術適用外と言われて東洋医学の施術を受けている人が、時間をかけて良くなってきて手術ができる段階になってくると、あっさり手術を受けにいく人もいるようです。それくらいに手術が治ることだと捉えている人が多いことに私は驚きました。私にとって手術は対処療法であり、臓器を切除してしまったら、バランスを崩した身体と一生付き合っていくことになるわけで、私にとってその方がずっと怖かったです。