この記事はこちらの記事「生理の血じゃないかも? 不正出血が起きた時に病院に行くタイミング 」の続きの記事です。卵巣が腫れ、経過観察ののちに自主的にMRIを受診した結果、私はとうとう大きい病院へ向かうことになってしまいました。
悪性だったらどうしよう…不安に押しつぶされながら病院へ
前回の続きで、大きな病院に行くことになった私は、地元の産婦人科で紹介状を書いてもらい、吐きそうな気持ちで大きな病院に行きました。正直、身体から魂半分抜けてたんじゃないかってくらい。いや、人って魂抜けても動けるんですね…。何かしらの病気になったことがある方は分かっていただけると思うのですが、「大丈夫かもしれないしすごく悪いかもしれない」という、なんだか分からない生殺しのような状態って心理的に一番きついんですよね…。病院に行った後、再度MRIやCTなどの検査を行い、数週間結果を待つことになりました。
一応こういう検査は結果を誰かと一緒に聞きたい場合は(例えば、親と聞きたいなど) 同席OKだそうです。私はどちらかというと良くない結果だった場合も最初は一人で受け止めたい派なので、結果も一人で聴きにいきました。
卵巣がんの疑いあり との診断
何週間か待って、検査結果を聞きに行ったのですが、右側は「境界性悪種」という良性と悪性の間くらいの診断でした。( 左側は良性の所見あり ) ここが卵巣の難しいところなのですが、卵巣は「手術しないと確定診断ができない」臓器のため、悪性の可能性がゼロと言えない以上「卵巣がんの疑いあり」という診断になってしまいます。
例えば、乳がんや子宮頸がんなどは針を刺すなどして細胞を取り、確実な診断を下すことができるため、良性と確定できる場合には手術を避けることができます。しかし卵巣は良性であっても手術をしないと「確定」にはならないため、そういった意味もあり手術を早めに提案されることが多いようです。
更に、卵巣の手術ですが「手術してみないと切除範囲が分からない」という残酷な現実があります。もし運良く両方とも良性なら、腫れた卵巣に溜まった血流などを抜いて終わりになりますし、悪性の場合は卵巣と卵管が切除になる可能性が高くなります。 ( これは残存を希望するかどうかと、悪性の程度により決まるそうです ) 更に、もっと悪いことに転移をしていた場合はその範囲ごと切除になるため、最悪の場合手術から目覚めたら卵巣も子宮も切除している、という可能性もゼロではない(*)と説明されました。
※ ここで注意 ※
卵巣の手術はこの方法が一般的ではあるものの、どうしても受け入れられないという人は二期的手術が可能です。手術の回数が増えるため、金銭と身体への負担を考慮した方が良いですが、物理的には可能ということはぜひ覚えておいてください。私は二期的手術が可能であることを主治医の方から説明されなかったので、(診察書類を盗み見たら書いてあったので、セカンドオピニオンで聞いたら教えてもらえた) この時点では知りませんでした。
どう治療していくかをあらゆる方法から考える
卵巣がんの疑いありと診断された人の多くは、そのまま医師の提案通りに手術をする人が多いと思います。というのも卵巣がんは初期ステージでは本人の自覚症状が全く出ない (生理も問題なし) ため、視点を変えるとかなり早期の発見で幸運とも言えるからです。
しかし、私はどんなに医者に「早期発見で、治療できますよ」と言われても、自分の身体に傷をつけるのも嫌ですし、卵巣が片方無くなってしまう ( 私の場合は、可能性としては右だけ切除、左は温存が最も高いような印象を受けました。) なんてとんでもないことだと思いましたし、恐怖で頭がおかしくなっていたのかもしれませんが、身体も手術は拒否しているような感触でした。また、私の受けた印象ですが「切除が治療」と自分には到底思えなかったのと、その時の医者の口調が「疑わしい部分は切除しないと再発する」という口調だったので、この方に手術を依頼したらある程度の切除をしないといけないんだなと感じ、直感的に自分が治療を依頼する方ではないと判断しました。 余談ですが、この医者には「何か考えられる原因はありませんか」とか「自分ですべきことは何かないでしょうか」と相談しても「そういうのはないです」とキッパリ言われました…。
「一旦考えます」と医者には告げ、帰宅してから情報ながらどう向き合っていくのかを探っていきました。それと同時に、「こんな風になるまで私は自分の身体を大切にしていなかったんだ…」と悲しい気持ちでいっぱいでした。 もちろん、意識的にものすごく健康的な生活をしていたわけではないのですが、経費毒を避けるとかあまり外食やコンビニ食を食べない、食べ過ぎないなどの当たり前のことはしているつもりだったからです。
自分の身体が森だとしたら、その一部が枯れ始めている状態ということでしょうか。私は不調を招いた原因をそのままに、枯れた木を切り落とすことはしたくありませんでしたし、「自分が生み出したものは自分で治療をしたい」と思いました。 これを機会に再度、自分の身体にゼロから向き合っていこうと決め、本を読んで一つ一つ考え、試し、信頼できる専門家の方に相談をし始めました。
この病院の帰り道はこれまでの人生で5本の指に入るくらい悲しい時間でした。悪性の可能性があることを家族に伝えなければならなかったのが本当に辛かったです。
セカンドオピニオンについて知っておこう
ちなみにこういった診断はセカンドオピニオン、なんならサードオピニオンも考慮してみましょう。(私が周りに聞き回った情報だと、癌と言われた人がサードオピニオンでひっくり返ったというケースを聞きました。) その病院によって診断が異なったり、診断は一緒であったとしても治療方針が異なることは十分あり得るからです。更に、セカンドオピニオンを取る場合は、自分で病院を探し、自分で予約を取ることをお勧めします。病院によっては主治医を通じて予約をとる場合場合があり、それだと診断結果が大きく変わる可能性が低いと思います。
診断が同じだったとしても複数名の医者と話をすることで、治療について多面的に理解することができるはずです。私の場合は、1人目の医者は画像を使わず口頭で説明するのみだったのですが、セカンドオピニオンでは画像を見て、「ここがこうだから悪性の可能性があるよと判断している」と説明してくださり、そちらの方が安心感がありました。また、手術中に切除範囲を決めるのがどうしても受け入れられない場合は、二期的手術もできるよと伝えてくださりました。医者の方も人間なので、コミュニケーションの相性というのがどうしてもあるので、納得できる方を見つけられるようにしてください。
ただ、セカンドオピニオンは保険が利かないため、30分で20,000円以上かかるという負担が現状です。最初に大きな病院に行くときに良い先生に出会えるに越したことはないので、本来なら最初に病院に行く時に調べておく方が良いでしょう。(ただ、そんな心の余裕が無いのが実情ですよね…涙)